2019年9月30日
STAGE2:THE SLOT CANYONS
distance36.9km/elevation↑609m/elevation↓866m
みなさん、【砂漠】と聞くと、どんなところを想像しますか?サボテンにラクダ、鳥取砂丘?とりあえず、砂だらけのイメージだと思います。モロッコの『サハラ砂漠』は、まさに砂漠という言葉がぴったりでした。
今回のチリの『アタカマ砂漠』には、【川】がありました。この果てしなく長い川を、何度も何度も何度も!数えられないくらい渡りました(砂漠仲間いわく30回は渡ったと)。
はじめは、童心にかえって、きゃあきゃあ言いながら。
何回か川に入ると、慣れてきて、いかに早く渡るか考えながら。
10回20回と越えてくると、もはや無(もぅ川も砂も道路も同じだ)。
冷たくて、なかなか流れが強く、時には膝上位の深さがあるところも!丹田にしっかり意識を置いておかないと、すっころびそうでした。川を横切るだけではなく、川に沿って、川の中をじゃぶじゃぶと進むことも。その途中、滝の中を通り抜けるところがあり、なんて奇麗なのーーー、とはるばるアタカマまで来た甲斐があったと、思いました。
砂漠マラソンのリタイヤ理由ナンバーワンをご存知でしょうか?それは、ブリスター!足のお豆です。
長い時間(朝から晩まで)、重たいリュックを背負って進む砂漠マラソン。ただでさえ、お豆が出来やすい状況なのに、その上、アタカマ砂漠では「川に入るらしい!」と噂に聞いていたので、戦々恐々でした。
練習で、大雨の日にリュックを背負って(MAX20kgの重り入り)歩いてみたら、案の定、ヤツが現れました。ぷっくり水を含んでたこ焼きサイズに膨れ上がって、プニプニしていて、なんだか可愛いペットのようですが、激痛をともないます。全然、可愛くない。
足の豆対策で悩んでいたところ、お世話になっている大分のスポーツ店「スポーツジョイ」社長に、インナーファクトという麻製の足袋型ソックスを教えてもらいました。存在は知っていたものの、なかなかの高額。私には、ダイソーの100円のスポーツソックス(めちゃくちゃ愛用してますw)で十分と思っていたので、試したことはありませんでした。
これが、思い切って新調して、大正解!!!何度、川に入っても、お豆が出来ることはありませんでした。お値段以上の働きをしてくれました。
2日目の前半は、ひたすら川渡り。アタカマの高地にも、順応してきたかな、なんて思いながら、順調に進みます。
が、後半になって、山登りが続きます。暑い。数百メートル登るだけなのに、リュックの重みに、高地、呼吸が荒れていきます。昨日の反省を活かして、チェックポイントごとに塩タブレットをとるのを忘れずに気をつけて来た。それにしても、なんだか気持ちが悪い。今日は、水分の取りすぎかなぁ?念のため、胃薬を飲みます。全く変化なし。何だろう。何でだろう。
登って、トンネル抜けて、また登って、「わぁ、すごい景色!!!」って言いたいけど、何だかやばいかも、とそれどころではなく。
山区間を終えて、今日のゴールまで、あと少し。10mくらいの砂丘が連続します。これ位、サハラで死ぬほど超えてきた、余裕で終わりたい、と思うのに。登れない、息が苦しい、呼吸が乱れる。独りで、小さな砂丘と格闘していたら、、、
「吐く息も大事にね」
と言いながら、後ろから、リュックを押し上げてくれる人が現れました。いずみさんです。初日、日本人2番手(11人中)でフィニッシュしていたから、今日も、先にいるものだと思っていました。
砂丘を登るたびに、遠くにゴールゲートが見えます。そこからは、太鼓の音が。「ロングマーチの日(ステージ5のこと)、あの太鼓の音が聞こえてきたとき、どれほど嬉しかったか」と、いずみさんは、ナミビア砂漠マラソンの想い出を話してくれます。
いずみさんと一緒になんとか2日目をゴール!するも、原因不明の体調不良。しばらくゴールゲートのテントで横になって休みました。その後も、回復の兆しはなく、トボトボ歩いて自分のテントに行き、夜ご飯も食べずに眠りにつきました。
あとで、お礼をしなくちゃと思っていたいずみさんには、もぅ会えませんでした。実は、川でアクシデントがあり、ろっ骨を負傷、リタイヤされたそうです。そんな状態で、私の背中を押して、励ましてくれていたんだ、と思うと、言葉に表せない気持ちでいっぱいになります。いずみさんの強さ、優しさに感謝。